事例詳細

調査・質問内容

過去、“もったいない”という概念があったのか。古文や資料にあがっているリサイクルや再利用について知りたい。

図書館からの回答

公開日 2026/08/19

『日本国語大辞典』で“もったいない”という言葉の意味を調べると、“勿体無(もったいない)”①あるべきさまを外れていて不都合である ②おそれ多い ③使えるものが捨てられたり、働けるものがその能力を発揮しないでいたりして、惜しい感じである とあります。質問の内容から、③の意味で調べました。

古典文学では、『太平記』(1300年代後半)『日本永代蔵』(1688年)に“勿体なし”が使われていて、古くからある言葉であることがわかります。

紙のリサイクルは平安時代から行われ、『日本三代実録』には、清和天皇の女御である藤原多美子が、天皇から生前に送られた手紙を漉(す)き返した紙を使って、写経をしたという記録があります。

江戸時代には、“紙屑買い”“古傘買い”といった、家庭から出たゴミや不用品を買い取る人々や、“算盤(そろばん)直し”“提灯張り替え”など、壊れたものを修理する職人がいました。これらの人々の様子は、大坂、京都、江戸の風俗を書いた『守貞漫稿』に見られます。

明治時代に入ると、京都市内には“化芥所”が設けられました。ここに集められたゴミは、紙や肥料などに再利用するために、あらかじめ決められた分別方法によって、細かく分けられていました。

そのほか、平城京から発掘された出土品の中から、使い古した土器の裏側を硯に再利用した跡が確認されています。

参考文献

タイトル 注記
日本国語大辞典 第12巻 p1308~1309“もったいない【勿体無】”
角川古語大辞典 第5巻 p657“もったいなし”
CGで甦る江戸庶民の暮らし p93~97“リサイクルの達人だった江戸庶民” 
もったいない生活大事典 7 p22~23“ものをたいせつにする日本文化”
近世日本風俗事典 p415~510“職業”
江戸あきない図譜 p219~232“技を売る出商い”
江戸のくらしから学ぶ『もったいない』 第1巻
売り声図鑑 3
洛中塵捨場今昔 p76~94“五 化芥所-ごみ再資源化の試み-”
紙のなんでも小事典 p202~205“8-1 紙リサイクルの歴史”
平城京のごみ図鑑 p64~67“平城京のリサイクル術”

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