事例詳細

調査・質問内容

西本願寺の北能舞台について知りたい。

図書館からの回答

公開日 2024/03/27

西本願寺には、常設の能舞台が二つあります。書院の南北に建てられ、それぞれ“北能舞台”、“南能舞台”といいます。

北能舞台は、造営年代がわかるものとしては、現存最古の能舞台といわれています。昭和初期の解体修理の際に、天正9年(1581)と書かれた墨書が正面懸魚(げぎょ)の六葉(ろくよう)裏から見つかりました。本願寺の坊官(寺に仕える在俗の僧)で、能役者でもあった下間小進(しもつましょうしん)が本願寺に寄進したといわれています。

屋根は正面が入母屋造、背面が切妻造の檜皮葺(ひわだぶき)です。対面にある白書院から舞台を観るように造られており、舞台内部の天井にある蟇股(かえるまた)には、桃の実と花を象った彫刻が施されています。舞台奥にある後座(あとざ)の床板を張る方向や、橋掛(はしがかり)と舞台の角度が急なことなど、現代の能舞台とは異なる特徴があります。

明治41年(1908)に重要文化財に、その後、昭和28年(1953)に国宝に指定されました。

北能舞台の平面図や書院内の配置図などは、参考文献でご覧いただけます。

参考文献

タイトル 注記
国寳能舞臺 p51~80“本願寺奥能舞臺 ”
国寳建造物 第2期第11輯
週刊朝日百科日本の国宝 064 p7-110~7-111“本願寺北能舞台”
西本願寺への誘い p116~121“西本願寺への誘い その十九 北能舞台”
能舞台歴史を巡る p148~153“国宝北能舞台・重文南能舞台”
京都 昭和48年5月号(通巻266号) p28~29“【京の国宝】本願寺北能舞台”
日本の美術 No.75 p67“第96図 西本願寺書院配置図”、p73“北能舞台”
イラストで学ぶ京都の文化財 p46“西本願寺 北能舞台”
能・狂言図典 p33~37“能舞台”
能楽大事典 p688~690“能舞台”

役立つウェブサイト

タイトル 注記
国指定重要文化財データベース 「国宝・重要文化財(建造物)」 2024.3.27 確認

1/1