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調査・質問内容

伏見寒天について知りたい。

図書館からの回答

公開日 2023/09/28

伏見寒天とは、江戸時代前期に、伏見区御駕篭町(おかごちょう)で、伏見の旅籠の主人によって、偶然発見された寒天のことです。薩摩藩主の島津久光が参勤交代の途中に宿泊し、その夕食に出した「ところてん料理」の残りを戸外に捨てた際、夜間の寒さのために凍り、日中に溶け、これを数日繰り返したことで水分が抜け、干物のようになったものを主人が発見しました。それを水で煮溶かしてみたところ、海藻の臭みが消えていたことから、さらに改良し、「瓊脂(たまあぶら/けいし)の干物」と売り出したのが、寒天のはじまりと言われ、伏見の名物となり、全国に広がっていきました。

令和元年(2019)、一般社団法人日本記念日協会によって12月27日を「寒天発祥の日」と認定され、翌年12月に、寒天が生まれた旅籠からほど近い京都市立伏見中学校の正門横に、「寒天発祥之地 伏見区御駕篭町」の石碑が建てられました。

参考文献(新聞):『朝日新聞 平成29年(2017)12月20日』京都版 朝刊 27面“伏見新聞探せ「寒天発祥の地」”
『京都新聞 平成30年(2018)1月23日』朝刊 22面“「寒天発祥の地は伏見」地元男性が歴史調査 PRへ来月フェスタ”
『京都新聞 平成30年(2018)10月12日』朝刊 25面“「寒天は伏見発祥」寸劇に 東山の住民歌劇団新作 家族や親鸞題材作も 絵巻や軽快ダンスで表現”
『京都新聞 令和2年(2020)2月5日』朝刊 20面“伏見が寒天発祥 住民PR 江戸期、屋外のところてんが凍り、偶然誕生 料理バトル開催、記念日認定も 15日、伏見区役所”
『京都新聞 令和2年(2020)12月28日』朝刊 18面“寒天発祥の地に石碑 伏見中の正門前、市民団体設置 「感無量、町のシンボルに」”
『朝日新聞 令和3年(2021)7月5日』京都版 朝刊 19面“古都ぶら 伏見かいわい 名物寒天、偶然できた”

参考文献

タイトル 注記
伏見寒天プロジェクト
寒天・ところてん読本 p38~42“海藻からところてん、そして寒天へ”
伝統食品の知恵 p121~136“寒天”
寒天ものがたり p15~18“寒天の歴史と菓子への利用”、p20“広がる寒天の可能性”
海藻 p145~147“寒天の創案”、p292~293“寒天”
職人の民俗誌 p1~6“寒天の歴史”
城下町伏見町名の由来と秘話 p124~125“御駕篭町”
京都大事典 p790“伏見寒天”
読売新聞縮刷版 2016-1 p972“はじまり考 寒天 冬に捨てたトコロテンに着目”
すぐに役立つ366日記念日事典 下巻 p248“12/27 寒天発祥の日”

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