事例詳細

調査・質問内容

京都五山送り火について,火床の組み方を知りたい。

図書館からの回答

公開日 2019/07/25

京都五山送り火は,毎年8月16日の夜に行われる盂蘭盆会の行事です。京都盆地を囲む山々で,先祖の精霊を送る火が焚かれます。

送り火の火床の組み方は,大きく分けて2種類あります。
ひとつは,山の斜面に土台をつくり,その上に薪を井桁状に組む方法です。大文字,妙法,船形,左大文字がこの方法をとっています。
例えば,大文字の火床は,かつては山の斜面に穴を掘り,その中で薪を組んでいました。現在は,山の斜面に少し土盛りをしたところに,大谷石という石材を2つ並べ,その上に薪を高さ約1.3mの井桁状に組み上げます。井桁状に組むことで,「井」の字の真ん中が煙突代わりとなり,薪が燃えやすく,また,一気に燃え上がってしまうのを防ぎます。

もうひとつの組み方は,山の斜面に聖火台のような鉄製の受け皿を埋め込み,松明を立てる方法で,鳥居形がこの方法です。
点火は,親火床から火を移された松明を持って,各火床まで一斉に走り,受け皿に付いている尖った先端に突き立てます。
また,親火床では,薪は井桁状に組まれます。

参考文献

タイトル 注記
京都大文字五山送り火
大文字 p40“大文字・井桁組み”(カラー写真),p41“大文字・点火を待つ井桁”(カラー写真),p138~140“火床図”(白黒イラスト)
京の大文字ものがたり p68~102“五山送り火の現況”,p183~187“資料”(白黒イラスト)
京の365日 下 p71~72“五山送り火(火床の準備)”,各火床のカラー写真
大文字 p19~21“大の大きさと火床”,p21~23“地元の努力(点火)”

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