事例詳細

調査・質問内容

菅原道真の「東風(こち)吹かば」の歌がどこで詠まれたのか知りたい。

図書館からの回答

公開日 2019/04/24

平安時代の政治家で学者でもあった菅原道真は,右大臣にまで昇進しながら,藤原時平の中傷によりその座を追われ,突如太宰府に左遷されました。

「東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな(春な忘れそ)」の歌は,太宰府へ旅立つ前に,自宅の庭に咲いていた梅の花を見て詠んだものと伝えられています。人々だけでなく自宅の梅花にも別れを告げ,太宰府へ左遷させられていく道真の心境が読み取れます。

また,国宝の絵巻「北野天神縁起」巻三には,庭の紅梅に別れを告げる道真の姿が描かれており,別れを惜しんだその梅が太宰府まで飛んで行ったという“飛梅(ひばい)の伝説”も生まれました。

参考文献

タイトル 注記
菅原道真 人物叢書 p115~119“二 筑紫下向”
菅原道真 西日本人物誌 12 p133~140“歌人としての菅原道真”
日本絵巻大成 21 北野天神縁起 p16“道真,庭の紅梅に別離を告げる”
菅原道真 詩人の運命 p252~255“左遷”
学問の神さま わかりやすい天神信仰 p32~38“苦難の旅路”
新日本古典文学大系 7 拾遺和歌集 p288
新編和歌の解釈と鑑賞事典 p213

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