事例詳細

調査・質問内容

“貝合せ”という遊びについて知りたい。

図書館からの回答

公開日 2019/10/30

“貝合せ”とは,平安時代から貴族の間で行われていた遊びです。
元は,左右2組に分かれて様々な珍しい貝を出し合い,形や美しさを競うものでした。

また“貝おおい”という遊びもあり,これは二枚貝を2つに分け,対になった貝殻を見つけて多く集めた者が勝ちというものでした。
鎌倉時代には,貝殻の内側に,同じ絵柄や,和歌の上の句・下の句を分けて書き,楽しむようになりました。
さらに江戸時代になると,王朝物語の一場面や,花鳥などの模様を描いた工芸品に発展しました。

このように,“貝合せ”と“貝おおい”は異なる遊びでしたが,“合せ”という言葉が貝殻を組み合わせる意味で広まり,現在では“貝おおい”を“貝合せ”と呼ぶのが一般的です。

参考文献の『冷泉家の花貝合せ』では,京都で宮廷文化を守り伝えている冷泉家の貝合せの道具の数々を,カラー写真でご覧いただけます。

参考文献

タイトル 注記
江戸の遊戯 貝合せ・かるた・すごろく p10~45“合わせものと貝覆い”
江戸時代子ども遊び大事典 p48“貝合わせ”
王朝のかたち p48~55“貝覆”
冷泉家の花貝合せ
歌留多 p164~165“貝覆・絵合せ”
美と工芸 第157号 特集 貝合せ 

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