事例詳細
調査・質問内容
蓮月尼(れんげつに)とは,どのような人物か。
図書館からの回答
公開日 | 2022/03/25 |
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蓮月尼とは,大田垣(太田垣とも)蓮月のことです。江戸時代末期~明治期の歌人で,自作の和歌を彫った蓮月焼と呼ばれる陶器を作ったことでも知られます。歌集に「海人の苅藻(あまのかるも)」があります。
名は誠(のぶ)といい,生まれてすぐに知恩寺(東山区)の坊官,大田垣左衛門光古(てるひさ)の養女となりました。
二度結婚しますが,それぞれ離縁と死別し,4人生まれた子どもも幼いうちに亡くなっています。二度目の夫が亡くなった際に養父とともに出家し,蓮月と法名を受けました。
蓮月焼は養父を亡くした後,生計を立てるために作り始めました。たちまちのうちに評判となり,贋作が出回るようになりましたが,贋作を作っている者に,見本として自作の焼き物を与えたり,形だけ作って来れば,自分が歌を彫りましょうと伝えた,ということです。
富岡鉄斎を支えたことでも知られ,鉄斎が若い頃には同居していた時期もありました。
また,人が家に来ることを嫌い,何度も引っ越しを繰り返したため「屋越し蓮月」と呼ばれ,多い時には1年のうちに13回も引っ越ししたと伝えられています。
参考文献
タイトル | 注記 |
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大田垣蓮月 | |
無私の日本人 | p233~326“大田垣蓮月” |
大田垣蓮月 伝記叢書 | |
大田垣蓮月 幕末女流歌人の書画と陶芸 |
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