事例詳細

調査・質問内容

日本の建物で魔除けや鬼門除けに使われるものについて知りたい。

図書館からの回答

公開日 2022/01/26

日本の建物には,魔除けや鬼門除けのために行う様々な風習があります。

屋根に関する風習として疫鬼(えきき)など災いが入ってこないように,鬼の面をかたどった鬼瓦を屋根の上にのせるのもその一つです。
沖縄地方では,鬼瓦ではなく“シーサー”と呼ばれる獅子が赤瓦の屋根にのせられています。
京都の町家などでは,鬼瓦に睨まられることを忌み嫌い,通りに面した一階の小屋根の上に“鍾馗(しょうき)さん”と呼ばれる鍾馗像が飾られています。

また,鬼門除けの代表的なものとして,京都御所北東の“猿が辻”があります。御所の全周を囲っている築地塀の北東の角だけを内側にへこませ,鬼が来るとされる方角に欠けこみを作ることで鬼門除けとしています。
現代でも民家やビルなどに,鬼門の方角の角を囲ってそこに玉砂利を敷いたり,“難が転じる”とされる南天や“鬼が棘を嫌がる”というヒイラギなどの植物を植えるなどの工夫がされています。

参考文献(新聞):『朝日新聞 令和3年(2021)8月8日』朝刊 京都版 地域面 21面“古都ぶら 災厄を防ぐバリアー 鬼門封じ(上京・中京)”

参考文献

タイトル 注記
住(すまい)の民俗事典 p80~81“屋根”,p202~207“魔除けの装置”
京都産業大学日本文化研究所紀要 第21号 p178~168“藤野 正弘/著 「鬼門除け」に見られる京都の魔除け習俗の研究”
魔よけ百科 p38~39“鬼門よけ”,p42~43“家の守り”
東・西・南・北・右・左 p48~59“家相・鬼門・恵方・明きの方・金神・風水”
月刊 京都 2013年2月号 p12~15“京の町にみる鬼門の風習”
日本の建築文化事典 p368~369“家相と鬼門”
イラスト京都御所 p198~200“猿が辻”

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