事例詳細

調査・質問内容

御所解(ごしょどき)模様について知りたい。

図書館からの回答

公開日 2021/04/05

御所解模様は,御所ちらし模様や御所解とも呼ばれる着物に用いられる模様の1つです。
華やかな友禅染と手の込んだ多彩な刺繍で,季節の草花や霞,流水といった自然の風景と扇,几帳,御所車,柴垣,宮殿などの雅な素材を表現した,優美で彩り豊かな品の良い意匠です。
名称の由来には諸説あり,平安時代から公家が礼装に用いた伝統のある「有職(ゆうそく)文様」を「御所模様」とも称し,その模様の一部を解きくずし簡略化したという説や,公家の奥女中や御所勤めの女性たちが,奥方から払い下げられた小袖を引き解いて反物の状態に戻して用いたという説があります。
江戸時代中期から武家の女性らに着用され,当時のたしなみとされていた能楽や古典物語を象徴する題材を柄に取り込んだ模様もあり,王朝文化や公家社会への憧れと教養の高さを表しています。
現在も振袖や留袖,訪問着などに多く用いられ親しまれています。

参考文献

タイトル 注記
文様の事典 p121“御所解文”
キモノ文様事典 p92“御所解模様”
染織事典 p185“御所解模様”
着物文様事典いろは p109“御所解”
図説着物の歴史 p108~109“江戸時代中・後期の装飾”
服飾文化研究会きもの図録 別冊 p48~49“御所を模して”着物写真
花洛(みやこ)のモード p286~290,469~470 着物写真
日本の染織 4 p58~69“御所解模様”着物写真
日本の染織 6 p82~87“御所解模様”着物写真
日本の染織 7 p74~75 着物写真
御所解と腰巻 第1図~第60図“御所解”

役立つウェブサイト

タイトル 注記
ジャパンサーチ 検索キーワード「御所解」  2021.4.5 確認

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